人気ブログランキング | 話題のタグを見る

元大家さん ~paris 2 ~

98年、私がパリに付いて直ぐに家を借りたのが偶然にも、日本人の大家さんだった。彼は在仏25年クラスの彫刻家で、好きな土地に別荘(決して成金邸でないが、ポイントをおさえた家)を持ち、趣味の競馬で人生を謳歌している。この人の話だけでも本が書けそうな位、経験が豊富で、イタリアでの職人との仕事や強烈な恋愛などは、ピカソもびっくりだと思う。5年かけてやっと一通り聞けた程、素敵な恋愛話ばかりだった。

彼は自分が助けられた分、困っている人(独断だけど)をケアしている。橋の下のポーランド不法滞在者(今はまとまったから、不法でないけど)などを連れてきて、家でパーティーがてら、ご飯を食べさせたりしていた。彼の直感で、悪そうな人は呼ばないでいるらしい。

そこで知り合った同じ世代のポーランド人を行ってすぐに紹介してくれた。彼女は彼に目を付けられただけあって、とっても強いたくましい女の子だった。彼女の話はまた後日。

彼の目もたまには狂う時もあって、しぶとく居候する人もいた。出て行けと行ったら、そのまま眉毛を剃って、「この顔でどうやって出て行けっていうんだー!」としぶとい人もいた。彼、狂っていて面白かったんです。その当時のポーランド移民にも、複雑な事情があり、統合されるまで本国にかれない人もたくさんいたみたいです。
ちなみに、今回遊びに行ったら、スペインに出稼ぎに行く途中、パリで全部ものを盗まれたポ人が居候して、家の工事のバイトを任されてた。思いがけない偶然で、彼のものを盗んだ人間にあってしまうオチがあるのですが…。

そんなこんなで、わたしも随分お世話になって、本音の影響力はすごかった。一番初めに出会った人がそんな人だったもので、すっかり(褒め言葉で?)狂った人が好きになってしまった。私がパリでどん底にならなかったのも、彼のお陰であるし、これからも元気をもらいたい人だったりする。狂って(これも褒め言葉)いても、品があり、アカデミックなところは、私には真似できない。パリって時々そういう人に出会えるんですよねー。
by maischaud | 2005-05-08 14:24 | 友達
<< 青い匂い ただいまです ~ paris 1 ~ >>