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ポーランド話~おまけ~

ポーランドの話が続くが、思い出したついでに書き留めておきます。

友達Dorotaちゃんは、フォトグラファーとしての顔をもつのですが、彼女が3週間、ポーランドの障害を持つ施設に篭り、最も素な人間的表情を撮ったことがあった。そこの施設は成人以上が対象で、比較的年配の人たちが多かった。

実際私は写真を見ただけなのだけど、彼女の写真の中に写る彼らは、私達が大人になるにつれ、忘れてしまった何かが現れていた。双子のおばあちゃん達はいつも、1人が笑うともう1人は泣くか怒る。2人が揃って笑う事はない不思議な姉妹。最後の日と知らせていないのに、カメラに顔を向けえてくれた、カメラ嫌いのおじさんなどがあり、ぱらぱら写真集をめくっていた。

手を止めた女の子の写真。ん?なんか変。芝生に座っているけど、どんな病気なのか察しがつかない。私はどんな問題かDorotaに聞いた。何と彼女は3歳の時に父親に豚小屋に捨てられ、豚と同じ生活を20年間していたらしい。施設の人が引き取った時は歩く事も出来ないし、話す事も出来なかった。というか、本当にに“ぶーぶー”言ったらしい。写真を良く見ると、顔と腕に白っぽい太目の体毛が生えていたのです。全体ではないけど良く分かってしまった。施設に入って2年が過ぎた頃の写真は、大分人間ぽくなっていたけど、まだ豚にも見えてしまうのが衝撃的だった。言葉はわからなくても音楽によく反応する子で、身体を動かしていたとか。

言葉も出ない1枚の写真はとてもショックでリアルだった。彼女の人生思うと同時に、自分のした事や親や家族がしてくれた事は違いすぎた。感じ方はそれぞれだけど、無念で仕方なかった。但し、Dorotaの写真は彼女をとてもポジティブに写していた。とんでもない過去は消せなくても、彼女は楽しそうだった。今はどうしているか分からないけど、少しづつ取り戻して、それが無意識に幸せになっている事を願ってみたのでした。
by maischaud | 2005-05-20 01:49 | 友達
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